大判例

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最高裁判所第三小法廷 平成10年(あ)437号

右の者に対する所得税法違反被告事件について、平成一〇年二月二五日東京高等裁判所が言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人寺本吉男、同金田英一、同大森恒太の上告趣意のうち、所得税法二三八条二項の規定違憲をいう点及び重加算税のほかに更に罰金刑を科することについて憲法三九条違反をいう点は、いずれも原審で何ら主張、判断を経ていない事項に関する違憲の主張であり、その余は、違憲をいう点を含め、実質は量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 園部逸夫 裁判官 千種秀夫 裁判官 尾崎行信 裁判官 元原利文 裁判官 金谷利廣)

平成一〇年(あ)第四三七号

上告趣意書

罪名 所得税法違反 被告人 福田世紀

右の者に対する頭書被告事件につき、弁護人の上告趣意は、次のとおりである。

第一点 原判決は、憲法三一条、三六条、三九条に違反している。

第二点 現判決は、刑の量刑が著しく不当であって、これを破棄しなければ著しく正義に違反する事由がある。

よって、原判決は破棄さるべきものと考える。

平成一〇年五月二〇日

右弁護人 金田英一

同 寺本吉男

同 大森恒太

最高裁判所 第三小法廷 御中

第一 憲法違反について

第一審判及びこれを認容した原判決には、次に述べるように憲法の違反乃至解釈に誤りがあり、その違反乃至誤りが、判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、刑事訴訟法第四〇五条第一号によって、原判決は、破棄されなければならない。

一 罪刑法定主義違反

第一審判及びこれを認容した原判決には、次に述べるように、日本国憲法第三一条に定める罪刑法定主義に違反し、その違反は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから破棄されなければならない。

1 日本国憲法は、第三一条に於いて、法律手続による処罰を、第三九条に於いて、事後法の禁止を各々規定し、併せて、憲法は、所謂罪刑法定主義を採っていると解される。

右罪刑法定主義は、犯罪と刑罰の法定をその内容とするのであり、従って、憲法第三一条は、「法律に定める手続」によらなければ刑を科せられないと規定しているが、これは、内容-犯罪と刑罰-が、法律によるものでならないことを当然の前提としているのある。

2 ところで、犯罪だけでなく刑罰をも法律で定めなければならないという点から観るとき、刑種、刑量をともに法定しない場合はむろんのこと、刑種だけを定め、刑量を定めない場合も、右罪刑法定主義に違背し、その保障機能を著しく害するものと言わざるを得ない。

従って、刑罰の法定ということは、刑種、刑量とも法定することを要請するものと解さなければ、右罪刑法定主義の本旨に反することになると解せられる。

そして、右にいう法定とは、法律による法定を意味すると解すべきである。

3 所得税法第二三八条は、その二項に於いて、「前項の免れた所得税の額又は同項の還付を受けた所得税の額が五百万円をこえるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円をこえその免れた所得税の額又は還付を受けた所得税の額に相当する金額以下とすることができる。」と規定している。

即ち、右条項によれば、免れた所得税額(以下「脱税額」という)が五百万円を越える時には、罰金の最高額は、その脱税額にまで至り得るのである。

4 しかして、右の如く、罰金の最高額が脱税額に比例して高くなるということは、換言すれば、罰金の最高限度額が定まっていないことを意味するのであり、少なくとも刑量の特定を欠くものと言わざるを得ないものである。

この意味に於いて、右所得税法第二三八条二項は、罪刑法定主義に違背し、憲法三一条に違反すると解せられる。

なるほど、所得税法違反という特殊犯罪に於いて、その刑罰につき、右条項の如き規定を設けることにはある程度の合理性を容認し得、特に行政罰の場合には、より積極的な根拠を見出しうるであろう。

しかし、罰金が刑罰である限り、右条項の違憲性は、右合理性によって何ら左右されるものではないと言うべきである。

二 二重処罰禁止違反

第一審判及びこれを認容した原判決には、次に述べるように、日本国憲法第三九条に定める二重処罰禁止の原則に違反し、その違反は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから破棄されなければならない。

1 重加算税額と刑罰を併科することは、憲法第三九条の二重処罰禁止の原則に違反する。

即ち、憲法三九条は、その後段に於いて、「又、同一の犯罪について重ねて刑事上の責任を問われない。」としている。

ここに「刑事上の責任」とは、所謂広く国家権力によって課せられる懲罰的意味を有する裁判の全てを言うと解すべきである。

そして、憲法第三九条の法意が、同一の行為に対しては再び国家権力の作用によって違反者に苦痛を与えないことを目的とする規定であると解するならば、重加算税の他に同種の苦痛を与える罰金刑を科することは、憲法第三九条に違反すると言わなければならない。

2 なるほど、形式的に見れば、刑罰規定の対象は社会的利益の侵害を伴う行為で、従ってそれに対する制裁である刑罰は、行為の反社会性、反倫理性を非難するという性格を有しているが、他方加算税の規定の対象は、行政上、訴訟手続上、民事上の秩序に支障を来すだけの行為で、従ってそれに対する制裁である加算税は、行為の反社会性、反倫理性を非難するという性格を有しておらず、両制裁はその基本的性格を異にしている。そうであるなら、まず、行為の反社会性・反倫理性の面を捨象して加算税を課し、次に行為の反社会性・反倫理性に着目して刑罰を科すと考えて、両者の併科を肯定することは可能であろう。

現に、これをして合憲とする最高裁判所の昭和三六年七月六日判決(刑集一五巻七号一〇五四頁)を始めとする多くの同旨の判例が存在することは事実である。

3 しかし、これは、国民の基本的人権の保障は、このように行為の形式如何に重点を置いて判断することをもって足りるのか、それとも国民にとってその国家行為が実質的にどのような意味を持つのかをより重視するべきかという、基本的事項に係わる問題である。

とりわけ、現代の国家活動において、一つの行為の活動目的は決して常に単一であるとは言えないのであって、刑罰ではなく行政上の措置であるというこれら合憲判決の割り切り方が、果してこのような基本的事項に係わる問題の思考方法であるべきか疑問であり、国家活動における目的は、単一ではなく行政上の目的もその中に含まれるものであると考える。

とすると、加算税と刑罰は、どちらも制裁であり、法的な非難であるという点は同じで、前者では制裁のもつ間接強制の手段としての性格が、後者では制裁のもつ非難としての性格が重視されているにすぎないのであって、両者は質的に明確に区別できるものではないのである。

4 被告人の重加算税等負担の状況

(1) 既に第一審判及び原審で述べたように、パステル福田商店は、本件事件発覚により種々の社会的制裁を受けてきた。

被告人及びその実質的夫である金井の必死の努力によって、パステル福田商店の主たる営業であるデパートでの催事販売業務の回復を進めその効果を得てきたが、結局は昨今のデパート業界及び服装品販売業界の低迷のため、売上の回復は芳しくなく、むしろ経営が危殆に瀕している状況である。

それにも拘わらず、被告人は、予定どおり重加算税・延滞税の支払を着実に実行してきた。

(2) 今後の各支払金額は、これまでの支払金額である各一〇〇万円と比較にならないほどの高額であり、しかも現在のパステル福田商店の経営危殆状況からすると、今後も予定の重加算税・延滞税の支払の実行を継続することは、パステル福田商店の経営を破綻に陥らせる可能性が非常に高いものである。

しかしながら、被告人は、パステル福田商店の経営の苦しい中、考えうる限りの経費の節減を行ない且つ営業を縮小して出来るだけ利益が残るよう努力し、何はともあれ右残りの約束手形についても、同様に、順次各支払期日に東京国税局に対して右各金員を支払っていく所存である。

(3) 被告人は、重加算税・延滞税の負担が七八四四万四三〇〇円で、この内二四〇〇万円を支払ったので残り五四四四万四三〇〇円、さらに本件事件以外に、国税である所得税、源泉徴収税等に少なくとも四九七九万七三六八円、都税である住民税に約五七〇〇万円、区税である事業税に約一八〇〇万円の合計一億二四七九万七三六八円に負担し、総額一億八八二四万一六六八円の支払をしなければならないことになっており、支払計画は現在交渉中であるが、いまだに目処は立っていない。

そこで、平成八年度のパステル福田商店の売上を前提として、これらの税金を完済するには何年かかるかを試算すると、一〇年余り必要となる。

当然ながらその間毎年の各税務申告をしなければならない。

(4) 既に第一審及び原審で述べたように、被告人は、自己の責任とはいえ本件事件に基づく社会的制裁のハンディに加え、昨今のデパート業界及び服装品販売業界の低迷のあおりも受け、パステル福田商店の経営が不振に陥っているにも拘わらず、これまで重加算税・延滞税を合計二四〇〇万円支払ってきたが、今後はそれに加え右一億八八二四万一六六八円の支払の工面も必要である。

さらに、これらに加えて、被告人が罰金三二〇〇万円もの支払いを負担することになれば、被告人の経済的負担は二重苦、三重苦のがんじがらめとなり、何とか重加算税・延滞税の支払を継続しつつパステル福田商店の経営の建て直しを図っている努力が、すべて瓦解することになる。

(5) このように、被告人の現状を見るに、被告人は既に重加算税・延滞税の経済的負担を科せられることによって、十分な制裁を受けており、かつ法的な非難を十分に受けているのであり、この上同じ制裁を科し、同じ法的な非難を科す必要はないものである。

三 公正な刑罰・罪刑の均衡違反

第一審判及びこれを認容した原判決には、次に述べるように、日本国憲法三一条に定める公正な刑罰・罪刑の均衡の原則に違反し、その違反は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから破棄されなければならない。

1 公正な刑罰

所得税法第二三八条に規定する罰金刑は、他の法律にその比を見ない程高額であることは否定できない。

仮に重加算税額が、罰金とはその性質を異にしている行政罰であるが故にこれを併科しうるとすると、重加算税額及び罰金額を合算すれば、実質上被告人は著しく過大な金額を国家に納付することとなり、公正な刑罰を要求する憲法第三一条に違反すると言わなければならない。

2 罰刑の均衡

(1) 被告人は、重加算税・延滞税の残り五四四四万四三〇〇円、さらに本件事件以外に、所得税、源泉徴収税、住民税、事業税の合計一億二四七九万七三六八円を負担し、総額一億八八二四万一六六八円の支払をしなければならないことになっており、支払計画は現在交渉中であるが、いまだに目処は立っていない。

平成八年度のパステル福田商店の売上を前提としても、これらの税金を完済するには一〇年余り必要となる。

当然ながらその間毎年の各税務申告をしなければならない。

さらに、被告人が罰金三二〇〇万円の支払いを負担することになれば、支払い不能になる可能性が高い。

(2) この点、実質的事業主である金井は、第一審判決では懲役刑ではあるものの執行猶予付である。

一方形式的事業主である被告人は、罰金三二〇〇万円が支払われない場合は一六〇日間労役場に留置されることになる。

これは、パステル福田商店の経営実体とかけ離れた処罰であり、罪刑の均衡を要求する憲法三一条に違反すると言わなければならない。

四 残虐な刑罰禁止違反

第一審判決及びこれを認容した原判決には、次に述べるように、日本国憲法三六条に定める残虐な刑罰禁止の原則に違反し、その違反は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから破棄されなければならない。

1 憲法三六条は、残虐な刑罰を絶対的に禁じている。

ここに「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的、肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑罰を意味し(最大判昭和二三年六月三〇日刑集二巻七号七七七頁)、死刑においては、火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑のような残虐な執行方法を定めれば死刑は残虐な刑罰といえる(最大判昭和二三年三月一二日刑集二巻三号一九一頁)等、これまで経済的苦痛を除いた精神的、肉体的苦痛を内容とする執行方法について論議されてきた。

2 しかしながら、既に第一審判及び原審で述べたように、被告人及びパステル福田商店は、本件重加算税及び延滞税の負担によって、二重、三重の経済的苦痛を受け、その営業は危殆に瀕しているのであって、この上さらに被告人に罰金刑三二〇〇万円を科することは、被告人の経済的破綻、死を招来することは火を見るより明らかである。

加えて、被告人に罰金刑三二〇〇万円を科し、被告人の経済的破綻、死を招来することは、その生存の糧を被告人及びパステル福田商店に負っている従業員一同の経済的破綻を意味するのであって、その影響の多大性には測り知れないものがあるのである。

3 今日、個々の人間の生存の基盤が、その経済性に由来している以上、重加算税の賦課に加え、三二〇〇万円もの罰金刑を科して、被告人から完膚なきまでに金員をむしりとり、被告人の経済的破綻を招来されることは、正に残虐な刑の執行方法以外のなにものでもないものである。

従って、被告人に、重加算税賦課に加え、三二〇〇万円の罰金刑を科し二重に経済的苦痛を科すことは、残虐な刑罰を絶対的に禁止した憲法第三六条に違反するものである。

第二 量刑不当の点について

仮に憲法違反に該当しないとしても、第一審判決及びこれを認容した原判決には、次に述べるように刑の量刑が著しく不当であり、これを破棄しなければ著しく正義に違反するから、刑事訴訟法第四一一条第二号によって、原判決は、破棄されるべきである。

一 被告人の事業主性、被告人の注意義務違反の程度、本件逋脱行為の実体、本件犯行形態、その他の情状、第一審判決後の情状、パステル福田商店の経営状況、処罰の均衡性等の各情状に加え、現在のパステル福田商店の経営危殆状況、それにも拘わらず本件脱税の加算税・延滞税の支払を行なっている状況及び被告人の経済的負担が二重苦、三重苦になっていること等は、原審で述べたとおりであり、これらを考慮すると、原判決が認容した第一審の被告人に対する罰金三二〇〇万円の判決は、著しく量刑が不当であり、これを破棄しなければ著しく正義に違反する。

二 被告人の事業主性

即ち、取調べによって結局は変遷したとはいえ、被告人は、日頃常にパステル福田商店の経営者は実質的な夫である金井徳次郎(以下「金井」という)であると認識していたこと、パステル福田商店の経理等の根幹に関わる部分は全て金井が担当し、その点の意思決定は全て金井が独断で行なっていたこと、パステル福田商店の財産管理においては、被告人は、自分名義の預金の存在は知っていたものの、自分で自由に処分できるものではなく、金井に意思により処分できるものと認識していたのであり、現に金井からは必要な生活費等をもらっていたにすぎないこと、金井はともかく被告人には商才は一切なかったこと等の事実から、パステル福田商店の事業主は、金井であり、被告人は傀儡に過ぎないものであった。

三 被告人の注意義務違反の程度

被告人は、自らの税務申告を全て金井に委ね一切その内容に注意を向けなかったことは、不注意であるとはいえるが、それは刑事法における注意義務違反の同列に解されるものではなく、パステル福田商店の事業主が金井であり被告人は傀儡に過ぎないものであったことからすると、そもそも被告人には予見可能性がなく、予見可能性のない被告人に、選任、監督の注意義務を課すこと自体不可能であり、仮に形式的事業主である被告人が処罰されるとしても、処罰は被告人に反省を促す程度の極めて軽微なもので足りるものといえる。

四 本件逋脱行為の実体

本件逋脱行為については、国税局或いは検察庁は、被告人を事業主とし、金井を従業者として処理したのであるが、これは牽強付会ともいうべき所得税法違反のあてはめであって、パステル福田商店の事業主をその実体に即して金井と評価した場合、金井だけが本件逋脱行為について刑事責任を負うことになるところ、金井の財産が皆無である以上徴税効果がないから採られた処置である。

国税局にとっては、多く税金がとれる方がよく、金井名義の財産が存在しない以上被告人の逋脱行為とせざるを得なかった、これが本件逋脱行為の実体なのである。

五 本件犯行形態

さらに、本件犯行形態としては、被告人の犯行といえば、金井は夫であり、被告人は夫である金井を全く信用し、その行為に全く関心を払わなかったことにつきるのであり、これは刑事上の注意義務違反とまでは評価しえないものである。

また、金井自体の本件犯行形態にしても、その動機は、迷惑をかけた自己の債権者への返済及び出来れば妻である被告人の老後を安定させたいという夫としての愛情であり、決して故意による巧妙且つ計画的なものではなかったのであり、利益を預金通帳に残したり、税務署が調査に来て帳簿・領収書等の計算書類を検討すれば直ちに発覚するといった、あまりにも幼稚な逋脱行為であった。

六 その他の情状

加えるに、本件国税局の調査には、国税局調査官の利益誘導に基づく自白の強要がみられ、その調査は憲法第三八条二項ひいては同第三一条の適正手続保障の侵害の疑いがあること、被告人は修正申告に基づく本税を直ちに完納していること、本件事件に基づく社会的制裁並びに昨今のデパート業界及び服装品販売業界の不況のあおりをうけ、パステル福田商店の売上が低迷しその経営危殆状況にあるにもかかわらず何とかやり繰りし、重加算税・延滞税を今日まで予定どおり支払いつづけ合計二四〇〇万円支払っていること等、被告人には誠に十分に斟酌されるべき情状がある。

七 以上の諸般の情状を考慮すると、原判決が認容した第一審の被告人に対する罰金三二〇〇万円の判決は、著しく量刑が不当であり、これを破棄しなければ著しく正義に違反するから、刑事訴訟法第四一一条第二号によって、原判決は、破棄されるべきである。

第三 まとめ

以上、原判決が認容した第一審の被告人に対する罰金三二〇〇万円の判決は、憲法の規定する罪刑法定主義、二重処罰の禁止、公正な刑罰・罪刑の均衡、残虐な刑罰の絶対的禁止の各原則に違背し、憲法に違反するものであるから、刑事訴訟法第四〇五条第一号によって、原判決は、破棄されるべきである。

仮に右憲法違反がないとしても、被告人の事業主性、被告人の注意義務違反の程度、本件逋脱行為の実体、本件犯行形態、その他の情状、第一審判決後の情状、パステル福田商店の経営状況、処罰の均衡性等の各情状に加え、現在のパステル福田商店の経営危殆状況、それにも拘らず本件脱税の加算税・延滞税の支払を行なっている状況及び被告人の経済的負担が二重苦、三重苦になっていること等を考慮すると、原判決が認容した第一審の被告人に対する罰金三二〇〇万円の判決は、著しく量刑が不当であり、これを破棄しなければ著しく正義に違反するから、刑事訴訟法第四一一条第二号によって、原判決は、破棄されるべきである。

従って、原判決は、破棄されるべきである。

以上

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